張明澄記念館「張明澄 風水の世界」を読む その12

竜・穴・砂・水を組み合わせて、奇門遁甲の格局を見るんだな。

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格局の見方

奇門風水における「巒頭」の「格局」は、「穴」の「十干」を「天盤」、「竜」の「十干」を「地盤」、「砂」を「八門」、「水」を「八神」とし、その組み合わせにより「奇門四十格」を出して判断します。
  例えば、東京から見た富士山は「土形」で、東京は富士山から見て、「先天盤」の「離」方位ですから「陽竜」に当たり、「十干」に直すと「戊」ということになります。つまり東京の「竜」は「戊儀竜」ということになります。
 次に、東京の「穴」を考えますと、富士山から東京に伸びる「竜」は、高尾山付近で南北に別れ、狭山丘陵と多摩丘陵が扇形に開いて東京を囲んでいます。すると、東京の「穴」は、「乙奇穴」と見ることができます。
 ところが、東京湾の対岸の形状が「直符水」の形になっていることから、東京の「穴」は「甲尊穴」であることが分かります。
 すると「天盤」が「甲尊」、「地盤」が「戊儀」という「天地盤」が出来上がります。しかし、奇門遁甲には、「天地」が「甲戊」という組み合わせの格局はありませんから、東京全体の「風水」では「巒頭」の格局は成立しないことになります。 ところが、東京のなかでも「丙奇穴」になっている場所はいくらでもあり、もし、その場所から富士山を望むことができれば、その場所の「天地盤」は「丙戊」ということになります。 奇門遁甲の天地盤で「丙戊」の組み合わせは「月奇得使格」に当たり、財運が非常によく、特に財源に恵まれるという象意があります。もし、その「穴」の左後方に適当な大きさの建物などがあれば「生門砂」に当たり、「天遁」の「格局」を構成します。「天遁」と「月奇得使」では、象意はほとんど同じですが、そのスケールは大きく異なり、ずっと大きな財源を掴むようになります。さらに、「水」が「九天水」になっていると、「神遁」を構成し、非常に小さな資本で莫大な利益を上げるようになります。東京の中央区などの都心部分には「九天水」の河川がありますから、特に官に絡んだ事業で利益があります。 ただ、東京に見られるような「甲尊穴」は「乙奇穴」に「直符水」を加えたもので、成立条件が難しく、「格局」に匹敵する作用があります。元禄時代に、江戸が世界の首都のなかでもトップクラスの人口と賑わいを見せたのも、富士山から秩父山系、高尾山などを経て、赤坂、四谷、信濃町から日比谷あたりの起伏に連なる「貴竜」に加え、何より「甲尊穴」の効果が大きかったものと考えることができます。

「奇門風水」は、「奇門遁甲」の元となった理論であり、風水、方位、占卜、命理、姓名、印相を問わず「奇門遁甲」を使うときは、すべて「奇門四十格」を考慮しなければなりません。

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やっぱり、東京に住まないと駄目だね、こりゃ。